賃貸契約の予備知識

情報収集の仕方、希望条件の整理の仕方、不動産会社の信用度を測る方法など、賃貸借を行う際に特に注意したい点をまとめています。まずは、大づかみで結構ですので全体の流れを把握して賃貸借の際にお役立てください。

【賃貸契約の予備知識】説明画像

賃貸住宅を借りる前に

賃貸住宅の探し方

  • まず何からはじめればいいの?
  • 予算の見積りの仕方は?
  • 物件探しの方法は仲介会社?
  • 現地見学はどこを調べればいいの?

契約を結ぶ前の重要事項説明

  • 申込み手続きはどうすればいいの?
  • 重要事項説明って何?
  • 契約時にはどのくらいの費用が必要?

住み心地を左右する契約内容の理解

  • 仲介手数料はいくら払えばいいの?
  • 契約更新はどのように行う?
  • 中途解約の規定は?
  • 明渡しの原状回復って何?

*

賃貸物件探しの第一歩は?

賃貸住宅を探す時のプロセス

  1. 情報収集物件情報を集め、最近の傾向や賃料相場等のチェック。各仲介会社の物件情報を集めます。
  2. 予算無理のない月額家賃の支払額を確認。この時家賃だけでなく共益費、仲介手数料、引越費用、敷金等の一時金といった諸費用も忘れないようにします。
  3. 希望条件の優先順位物件情報や予算を念頭に書きながら、希望条件を整理。
  4. 仲介会社への依頼希望条件を伝えて信頼出来る宅地建物取引業者に、物件探しを依頼します。
  5. 現地見学会候補物件を絞り担当者の案内で現地へ訪問。何度か足を運び建物、交通の便、周辺環境が整っているか等、自分の目で確かめましょう。
  6. 賃貸借契約物件が決まったら「入居申込書」を貸主に提出し、賃貸借の承諾を得ます。その上で仲介会社から重要事項説明書の説明を受け内容に納得がいけば、手付金を払い賃貸借契約を結びます。
  7. 入居仲介会社の担当者や貸主の立会いのもとでカギを受け取る際、部屋の現状確認を行います。できれば「入・退去時チェックリスト」を作成し、部屋や設備などの状況を書き込んでおくと退去時のトラブル防止に役立ちます。

賃貸契約の種類と内容の違い

普通借家権と定期借家権の特徴

普通借家契約
契約方法について書面でも口頭でも契約は成立します。 ただし、宅地建物取引業者の仲介などによって契約を結んだときは、契約書の作成が必要です。
契約更新の有無について原則として貸主に「正当な事由」がない限り、借主の意向で契約は更新されます。
契約期間の上限について2000年3月1日より前の契約‥‥‥20年以内 2000年3月1日以降の契約‥‥‥無制限
1年未満の契約の可否について期間の定めのない契約とみなされます。
賃料の増減について事情が変化すれば、借主と貸主の双方から、賃料の増額や減額が請求できます。ただし、一定の期間賃料を増減しない旨の特約がある場合は、その定めに従います。
借主からの中途解約について中途解約に関する特約があれば、その定めに従います。
定期借家契約
契約方法について・書面(公正証書等)による契約に限ります。 貸主は「契約更新がなく契約期間の満了によって終了する」ことを、契約書とは別にあらかじめ書面を交付して説明しなければなりません。
契約更新の有無について期間満了によって終了し更新はありません。ただし、再契約は可能です。このとき双方の合意によって「普通借家契約」に変更することが可能です。
契約期間の上限について無制限
1年未満の契約の可否について1年未満の契約も有効です。
賃料の増減について特約の定めに従います。 ただし、特約の定めがない場合は、事情が変化すれば、借主と貸主の双方から賃料の増額や減額が請求できます。
借主からの中途解約について次の条件を満たしている場合は、借主から一方的に中途解約を申し出ることができます。「床面積200m2未満の居住用建物で、やむを得ない事情により生活の本拠として使用することが困難となった場合」。上記以外の場合は、中途解約に関する特約があればその定めに従います。

契約前に必ず「重要事項説明」を!

  • 宅建主任者からの重要事項説明 賃貸物件を決めると入居申込書および添付書類を提出(または提示)し、申込み手続きを行います。借主から承諾を得ると、いよいよ賃貸借契約へと進みます。このとき仲介会社(宅地建物取引業者)を通じて借りる場合は、契約に先立って「重要事項説明書」に基づく説明が行われます。宅地建物取引業者はこの重要事項説明書を交付し、内容を説明した後ではないと、契約を結ぶことができないことになっているのです。また、書類の作成と説明は宅地建物取引主任者が行うことが義務づけられているので、説明に際しては宅地建物取引主任者証を提示した上でスタートします。
  • 入居申込み手続き時に提出または提示を求められる主な書類等
借主本人連帯保証人が必要な場合
  • 住所を確認できる書類
  • 勤務先証明書
  • 収入証明書 (源泉徴収票または納税証明書)
  • 学生証 など
  • 連帯保証人の印鑑証明書
  • 連帯保証人引受承諾書
  • 連帯保証人の収入証明書 など
  • 事前に関係書類のコピーを読む 重要事項説明書には、これから借りる住まいについて重要な事柄が記載されています。説明内容に疑問があればそのたびに質問し、その場で解消するようにしましょう。また、重要事項説明が契約の直前に行われるケースが多いので、事前に重要事項説明書や賃貸借契約書などのコピーを貰っておき、疑問点を整理しておくというのもよい方法です。
  • 重要事項説明書に記載されている主な内容
1.物件の表示物件の所在、建物の構造や床面積などが記載されます。
2.登記簿に記載された事項所有者の氏名、住所、抵当権等の有無などが記載されます。
3.設備の整備状況台所、浴室、トイレその他の設備の有無などが記載されます。
4.契約の期間および契約の更新に関する事項賃貸借の期間や借家契約の種類、更新する際の取り決めなどが記載されます。
5.利用の制限に関する事項居住用か事務所用か、ペット飼育の可否などについて記載されます。
6 賠償の予定に関する事項賃貸借の契約を解除するときの予告期間などが記載されます。
7.契約終了時における金銭の精算に関する事項敷金の精算方法などの取決めが記載されます。
8.管理の委託先および管理形態共用部分などの管理業務を委託している管理会社の名称などが記載されます。
9.その他、法令の制限等都市計画法や建築基準法などによる制限が記載されます。

入居申込み手続き時に提出または提示を求められる主な書類等

賃貸借契約を結ぶと、敷金などを貸主に納める一方で仲介会社に対して仲介手数料を支払います。この仲介手数料(消費税込み)は宅地建物取引業法で上限が決められており、賃料の1ヶ月以内の額としています。従って合計額は1.05ヶ月以内となります。

ケース1(原則)貸主月額賃料の0.525ヶ月以内の額仲介会社
借主月額賃料の0.525ヶ月以内の額
ケース2.(貸主の承諾がある場合)
借主からは報酬を受領しない
貸主月額賃料の1.05月以内の額仲介会社
ケース3.(借主の承諾がある場合)
貸主からは報酬を受領しない
借主月額賃料の1.05月以内の額仲介会社
  • 契約更新契約期間が普通借家契約の場合は、一般に2年としているケースが多いようです。契約期間の満了に伴う契約の更新は、大きく3つのタイプがあります。
  • 合意更新貸主・借主双方が合意により更新手続きを行うというもの。
  • 法定更新特段の更新手続きがなされなかったときは、従前の契約と同一条件で更新されたとみなすもの。
  • 自動更新契約の当初に更新する旨をあらかじめ約束しておくというもの。 このなかで法定更新された場合は、その後は期間の定めのない契約となり、借主はいつでも解約の申し入れができることになっています。 一方、貸主が更新を拒絶するには「正当な事由」など一定の要件が必要です。 契約更新に際しては、契約更新(合意更新)の対価として、借主が貸主に「更新料」を支払う慣行があります。更新料を支払う旨の特約がある場合は、支払う必要があります。
  • 貸主の修繕義務貸主は「借主の居住に必要な修繕をする義務」を負っています。 (貸主が直すべき修繕は入居時からついていた設備等)ただし、借主が故意や過失でき損・汚損した場合は、借主に損害賠償などの責任が生じます。
  • 中途契約の規定契約期間中の「中途解約」についてつぎのように規定されているので注意してください。
  • 借主からの中途解約中途解約ができる特約を結んでいてはじめて中途解約ができます。 契約書の契約解除の規定をしっかり確認しましょう。
  • 貸主からの契約解除 借主が契約の条項に違反して、禁止・制限事項、使用目的に反した使用などで「契約の解除事由」が生じたとき、契約を解除されることがあります。
  • 明渡し時の原状回復契約終了後の部屋の明渡しの際、「敷金の精算」を行います。原則として貸主・借主の負担すべき範囲は次のようになります。
  • 貸主の負担経年変化による自然的な劣化・消耗や通常使用による損耗品
  • 借主の負担借主が善良な管理者の注意義務に違反したことによる破損・損害等